巨大なくじら

お金の色がとれなくなってどんどん不思議な植物のように育っていく。
そういうのが人間社会の特徴らしい。

でも、私はそのことに対してなぜか絶望や失望は感じなかった。
あんな人たちがたくさんいるのに、どうしてこの世は終わらない?
そのことにこそ、私は大感動してしまった。

あんなよどみを、あんなくささを飲み込んでもびくともしないなんて、
そしてあの人たちが夜に光るコケ類のようにちゃんとそれぞれの美しさを持って
生きることを許されているなんて、世界とはなんと包容力があって、
すごい浄化力を持っているのだろう。

信頼するに足るではないか、と思ったのだ。

まるで巨大なくじらのようだ。
大きく波をたててどんどん飲み込み、どんどん出しておおらかに、
まるで鳥のように海をゆうゆうと渡っていくあの生き物のようだ。

そんなでっかい生き物の中にいるのに、私が心配することなんか、
なんにもありはしないんだ、そう思えた。

私はただここで小さく輝いて、消えていくだけ。
小さな小さな物語を作って。
それでいい。

『痛み、失われたものの影、そして魔法』
よしもとばなな
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by codamama | 2014-08-18 12:06


東京都内にて、リラクゼーションサロン・レンタルサロンを運営しています。

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